インターフェイスの進化
今回のアーティクルは、MacWorld Magazine のために執筆されたものです。そのため直訳を掲載することができませんので、ここではその内容をアウトラインにしてまとめてみました。原文はこちらです。
- Mac ユーザは今大きな変革の中にいる。Macintosh のユーザエクスペリエンスは新しい時代を迎え、よりパワフルに、より信頼性を高めようとしている。しかし同時に、派手な Aqua インターフェイスと多くの追加機能は、シンプルさという Mac 本来の特徴を脅かしている。
かつて
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1984年の初代 Macintosh で走る System 1.0 を見れば、そのシンプルさに驚くだろう。そこでは、Finder を含め一度にたったひとつのアプリケーションしか動かすことができない。
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Andy Hertzfeld によって開発された Switcher によってアプリケーション間の移動が簡単になったが、それでもスクリーン上には一度にひとつのアプリケーションしか表示できなかった。
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私が Apple Human Interface Goup を設立した直後の1985年のある日、UC Berkeley から2人の若者がやって来て、Mac チームの主要メンバーに Mac Plus で走る MacWrite を見せた。MacWrite は見たことがあったので別段驚かなかったが、彼らが MacWrite のウインドウを縮めてみると、なんとその後ろ側に Finder が見えた。そんなことが可能だとは夢にも持っていなかった我々は非常に驚いた。それが今日の MultiFinder の誕生であった。
現在
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その衝撃から後、階層メニュー、ポップアップメニュー、タブメニュー、ドラッグ&ドロップなどの様々な新しい要素や機能が Mac には追加されてきた。そして現在の、最もシンプルで最もパワフルなヒューマン-コンピュータ・インタラクション・システムが完成した。しかしその進展の鍵は Microsoft に奪われつつある。
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Mac OS X は、再び Mac をライバルの遙か前方に導くものだ。Mac OS X は Mac ユーザにとってのインターフェイスに関する大きな問題を解決する。信頼性である。Apple はこれまでもシステムクラッシュへのいろいろな対処を行ってきたが、Mac OS X はこれを根本から解決するものだ。だが果たして、Mac OS X の下で動くこのコンピュータは、それでも Mac と呼べるのだろうか?
何が Mac を Mac たらしめるのか?
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Mac では、好きなようにアプリケーションや書類間を自由に移動したり、散らかった作業場所を整頓したりできる。Windows や Unix などの他のデスクトップシステムでは、複雑な階層内のオブジェクトの場所を覚えるなど、より抽象的な概念にたよっている。理論的にはその方が散らからずに便利だが、頭の中にしまったものは目に見えない。散らかったものが直接目に見えなければ、作業効率は一気に下がってしまう。
コントロールの欠如
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OS X の初期のリリースは、同じ過ちを犯していた。ゴミ箱やその他のデスクトップ要素はすべて Dock に放り込まれ、開かれたウインドウやアプリケーションと共にまとまりなく飛び跳ねていた。しかしこの6ヶ月間に多くの部分が改善され、ベータバージョンではより Mac ライクになろうとしている。
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OS X はまだ重要な要素を忘れている。OS 9 において、スクリーンの底部に一度に数百のアイテムを保有することができるポップアップウインドウである。一度に20から30のアイコンしか含めることができない Dock がこれに取って代わろうとしている。これは見た目にはきれいだが、数百のアイテムから比べれば、退化している。
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1985年に Apple Human Interface Goup は、可愛らしいアイコンもラベルがなければユーザは混乱するという調査結果から、「一聞は百見に如かず」というモットーをうち立てた。だが Dock のアイコンは、マウスカーソルを重ねるまでラベルが表示されない。複数の Word の書類がある場合、ユーザは目的のファイルを探すためにひとつずつマウスでなぞってラベルを表示させなければならない。
抽象概念のはじまり
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Mac はその空間指向のファイルシステムによって優位を保ってきた。OS X の新しい File Browser は、ウェブブラウザの方式をローカルのデスクトップに持ってきたものだ。しかしウェブとデスクトップは同じではない。ウェブでは数千万のページの中から他人の作ったものを探す。パーソナルなマシンにおいては、もっと少ない数のファイルの中から、あなた自身によって作成、収集、整理されたものを探すのである。
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File Browser は、ネットワークにおいて多くの他人の作ったファイルの中から何かを探す場合には便利かもしれない。しかし、多くの Mac ユーザは、自分のやり方は自分で決めたいと思うだろう。
カスタマイズの危険性
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OS X のインターフェイスにはまだ他にも問題がある。カスタマイズ性である。我々はコンピュータをカスタマイズして、その外観や使い勝手は好きなように変更できる。しかし Windows のように、間違った使い方をしてはいけない。
表面
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ここ数年、Mac ユーザは彼らの Mac をカスタマイズしてきた。しかしそれは表面上だけの話である。例えば、スキンは Finder やアプリケーションの配色、外観を変更する。あるスキンは美しく、あるスキンは醜い。しかし美観以上の悪影響を与えることはない。QuicKeys や AppleScript などのプログラムは、特定の作業を自動化する。それでもアプリケーションや OS の機能を根本的に変更することはない。
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OS X は、そのユーザエクスペリエンスに対する大きな変更をサードパーティの開発者に提供する。将来は Unix のコンソールウインドウに直接アクセスできるようになるだろう。そして様々なフリーウェアやシェアウェアによって OS やアプリケーションの機能が変更されるようになるだろう。スキンによってシステムの外観だけを最新の Linux インターフェイスそっくりにするかわりに、本物の最新版 Linux のインターフェイスが実装できてしまうかもしれない。
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最初に現れるのは、OS X に残る本来の Mac の残骸をすべて消してしまうものかもしれない。それはつまり、Mac コミュニティが自らインターフェイスを改良しようするとういうことだ。改良によっては良いかも知れないが、論理的な筋道を失うだろう。あるものはユーザエクスペリエンスを破壊するかもしれない。またあるものは、MultiFinder のようにすばらしいものかもしれない。うまくいけば、あの2人の若者のような人物を雇って、良いアイデアを組み合わせることができるかもしれない。
シンプルさを保つ
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どうすれば OS X はそのパワーを有しつつ、かつての Apple のような優美なエレガンスを奪還することができるのだろうか。ひとつ言えることは、インターフェイスはその OS のパワーに比例して優美でなければいけないということである。Palm Pilot が優秀なのは、初代 Mac よりも強力なそのマシンにおいて、非常に厳選された機能美を維持しているからである。OS X は、我々がこれまで見てきたパーソナルコンピュータの中で、最も巨大なパワーを持っているのだ。
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Apple にはまだシンプルさを追求する資質があるのだろうか?それとも Microsoft や Sun の轍をたどるトラクターを作ってしまうのだろうか?あるいは、デモで見せた OS X を進化させてスポーツカーにしたてるのだろうか?それがキャタピラになるにしろポルシェになるにしろ、来年はエキサイティングなドライブになりそうだ。
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