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2001.08 |
弁護士たちはアメリカの製品をダメにしている。紙の世界だけでもすでに十分だ。ユーザーマニュアルはいつも決まって判で押したような“くだらない章”(「このトースターを風呂場で使用しないこと」)から始まる。しかし消費者はすぐに、その章を読み飛ばすことを学習する。そして誰も気にしなくなる。
コンピュータ関連の製品においては、そううまくはいかない。目障りな警告を消すために目を凝らしてボタンを探すたびに仕事は中断される。もし DVD を複製しようものなら、すぐにでも FBI がやってきて我々を逮捕する、という警告を読まされるたびに、せっかくの楽しみは中断される。
最近の弁護士たちは、我々の生活を徹底的に中断させようとしているようだ。彼らは冗長で誰も読まないマニュアルや警告画面と同じ方法で、自動車と航空機に用いられる GPS ユニットの進歩を妨げている。
例えば自動車のドライバーは、走行中における GPS 機器の利用によって運転への集中が阻害される恐れがあることを承諾させられる。そのために、いちいち小さなボタンを押してからでなければ移動地図を表示させることができない。走行中にこんなボタンを押すことの方が、一瞬だけ移動地図を見ることよりも余程危険だろう。
Q-tips(米国で有名な綿棒のブランド)は明らかに耳の穴を掃除するためにデザインされた製品である。この製品の目的は誰もが知っているが、それでも傷害時の責任を回避するために馬鹿げた取扱説明が付属している。GPS の「同意ボタン」は車を運転するたびに2回ずつ現れる。(一度目はキーをひと回しした時、二度目はエンジンをスタートした時。)つまり、そこらじゅうに Q-tips があるようなものだ。航空機の GPS は更にひどい。フライトのたびに、10回から20回も免責事項が表示されるのだ。しかもそれらは重要な操作をしている時に限って出てくる。
しかし自動車用 GPS の弁護士たちは、運転するたびに何度も何度も同じ承諾をさせられるドライバーたちが自動車メーカーや GPS 機器メーカーを恨むだけでは満足していない。彼らは傷害訴訟ゼロを目指すあまり、ほとんど殺人に近い状況を生みだしている。
説明しよう。弁護士たちは、彼らのクライアントである企業を馬鹿な人々(GPS の目的地やその他の設定を走行中に変更しようとする人々)が起こす訴訟からなんとか保護しようと努める。そのため、一度車が走り出したらもう行き先を変更することができないようになっている。なぜそれで人が死ぬかって? 簡単だ。まず、GPS を操作できるのはドライバーだけではないということを忘れてはいけない。助手席に座っている者も行き先を選んだり変更したりすることができる。彼らは運転をしているわけではないから、もちろん、安全に操作することができるはずだ。
それなのに GPS システムは、スピードメーターに反応して走行中にはロックされてしまう。そのためドライバーはロックをはずすためにどこかへ車を停める必要がある。どこに停めればいいのだろうか? フリーウェイの端? 数字的には大きくないかもしれないが、何人かはこの「安全設計」のために命を落とすだろう。
必要なのは、そう、今我々が楽しませてもらっている「子どもじみた最低の酔っぱらい」のための法令を、「良識のある人々」のためのものに直していくことだ。(San Francisco のある女性は、真夜中に市営の森林区内で泥酔しながら用を足していて丘から転げ落ちたとして、市を告訴している。)
一方、すべてのデザイナーは、製品の改善を鈍らせる弁護士たちの企てをできるだけ阻止しなければならない。
そんなことができるだろうか? もちろんだ。ユーザーテストをして、データをまとめるのだ。インターネット・ストアの店先に居座る煩わしい手続きが、売り上げを 37.2% 低下させていることを証明してやればいい。注文フォームにちりばめられた脅し文句が、購入手続きを中断させてしまうという事実を見せてやるのだ。
誰を味方につければいいのか? プロダクト・マネジメント、CEO、その他、訴訟対策などより製品自体の成功を望むスタッフたちだ。
これで勝てるだろうか? もちろん。ただし、時には予想外の結果になる。警句的な読者である David Somers は、Good Grips についての前回のコラムを読んでからそのサイトを見て回り、すごい「Terms and Conditions」を発見した。
Good Grips の人々は非常に多くの仕事をしている。読むのが楽しくなるようなページづくりだけでなく、保守的な顧問弁護士を説得してそのようなページの公開を納得させたのだ。
Good Grips の経験は、退屈で邪魔な免責記述の問題を解決するための、見落とされがちなアプローチを反映している:弁護士に話しかけることだ。弁護士を昼食に誘い出し、彼らが我々の友人なのだということを教えてあげよう。そして Good Grips の「Terms and Conditions」を見せて、一緒にうまい方法を考えるのだ。
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